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スリランカに恋して
 米をとぐ


 おいしくカレー&ライスを食べていると、ガリッと音がし、嫌な感触。吐き出すと米と同じ色の小石だった。

 スリランカでは、米に石が混じっていることがよくある。色や大きさの違う、いろいろな種類の米が売られているが、高いバスマティ米やサンバ米には入っていない。それ以外には当たり外れがあって、同じ店で同じ米を買っても、入っているときと入っていないときがある。

 もみがらやゴミが混じっているのは普通なので、よく注意しながらお米をとがなければならない。しかし、石が入っているのを買ってしまったときは、さらに手間がかかる。まず石を取り除かなければいけない。黒や灰色の石なら見つけやすいが、これが米と同じ白い色をしているのだ。

 まず、内側に細い溝が刻まれているボールに米を入れ、水を加え少しずつもうひとつのボールへ移していく。水がなくなると少し足し、何十粒かが移る。また水を足すの繰り返し。そうすると最後に小石が残るという仕組みだが、急ぎようがない作業なので、優に30分はかかる。

 それから野菜を刻んで、ココナツを削ってミルクを絞ってと、カレーを3〜4種類作るのが日常。魚ももちろんまるごと買うので、自分でさばかないといけない。どんなに手際よくやっても、1時間半〜2時間はかかってしまう。

 忙しいときだと、なんとか時間短縮はできないかと思うのだが、そんなときは道元禅師のことばを思い出すことにしている。道元禅師は曹洞宗を開き、鎌倉時代に活躍した禅僧だが、「典座(てんぞ)教訓」の中で、料理をする作法について細かく指導している。坐禅と同じように、食材を用意し、食事を作ることは大切な修行のひとつだと教えている。

 その中で、米をとぐときには石が混じっていないかと細心の注意を払って、とがなければいけないと説いているが、まさにそれを実践しているのだと自分に言い聞かせている。日本では無洗米を使っていたのだが…。


2005年9月



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