■ 掃き掃除![]() 「ほうき」を使っての掃き掃除なんて、高校生の時以来やったことがなかった。しかし、ここスリランカでは朝の掃き掃除に始まって、夕方の掃き掃除に終わる。掃除の中心は「掃く」ことなのである。 朝目覚めると、すでに隣近所からは「ザーザー」と、庭を掃く音が聞こえてくる。スリランカの朝は早い。8時過ぎてから起き出す私は、「ねぼすけ」なのである。顔をさっと洗って、まずはお湯を沸かす。私が紅茶を用意している間に、夫はさっさっと庭を掃いてしまう。庭掃きは、男の仕事のよう。大抵、どの家も男の人が掃いていることが多い。 庭にはやたらと木が多いので(家の外に出ても木だらけなのだから、そんなに植えなくてもと思うのだが、スリランカの人は庭に草木を植えることが好きなようである)、朝の庭は一面木の葉が落ちているのだ。そういえば、日本にいるときにお寺の住職が、「葉の処理は大変なんです。いくらお寺の敷地である境内でも、物を燃やすと近所からクレームがあるし、ゴミとして出すとゴミ袋数十袋分にもなってしまうんです。出すときはあらかじめ連絡して欲しいと役所の人に言われているんです」と嘆いていていらっしゃったが、うちの葉の処理はいたって簡単。集めた葉を隣の敷地へぽいと捨てるのである。隣の敷地といっても、草ぼうぼうのジャングル。ゴミといっても葉だけだから、いいらしい。 庭がきれいになったところで、テラスというか玄関の前の踊り場のようなスペースで紅茶を飲む。「1日の始まり」を感じる瞬間である。 * * * その後も、ことあるごとにほうきが登場してくる。朝食後には、家全体の掃き掃除。隅から隅まで掃いていく。毎日掃除しても、ゴミって意外に出るものだと気が付いた。今まで日本では掃除機だったから、どのくらいゴミが出ているかわからなかったのだ。ゴミと一緒に、部屋を歩いていた蟻やクモなんかも掃き出してしまう。虫たちを生きたまま部屋の外に出すには、ほうきが一番。虫たちのことを考えると、スリランカでは掃除機は普及しないんじゃないかと思う。 だから家の中にいてはいけない虫が出現したときも(ゴキブリ、毛虫、巨大クモなど)、ほうきの登場となる。もちろん生きたまま、ほうきで外に出してあげるのだ。 食事を作り終わったあとのキッチン、食事を食べ終わった後のダイニングルームと、1日に何回も掃く習慣がある。こうしないとすぐに蟻などの虫が集まってしまうというのも理由のひとつだが、それだけなく「家を大切にする」スリランカ人の良き習慣という気がする。 ちなみにスリランカでは、外が暗くなってからは部屋の外にゴミを掃き出さないとのこと。夕食の後の掃き掃除では、ゴミを一カ所にためておいて、ドアの近く、人が歩かないような部屋の隅に集めておく。夫に理由を聞いても、それが習慣だという返事。縁起が悪いということのようだ。 2004年7月24日 →TOP PAGEへ |
![]() ■裏庭の蓮 |
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